食を取巻く現状
食品関連企業では、次のような外部環境もあり、更に強化した食の安全への取組が求められています。
■近年の食品関連企業の事故や不祥事が一因で、食の安全に関する消費者の意識が高まっています。
■厚生労働省では食の安全の推進から、HACCP義務化を検討しています。
■GFSI加盟の小売業者等が、食品関連企業に対して、食品安全の規格認証取得を要求しています。
①市場の変化~消費者意識~
近年の食品事故や不祥事
企業名 | 発生年月 | 内 容 | 影 響 |
A社 | 2016年1月 | ツナ製品に虫が混入 公表遅れでネット炎上 | 協力会社工場の製造中止 |
B社 | 2016年10月 | 廃棄した冷凍ビーフカツが、廃棄物 業者の転売によりスーパーで販売 | 廃棄物業者の倒産 |
C社 | 2014年7月 | チキンナゲットに賞味期限切れ鶏肉 の使用 | 食品管理システムの再構築 |
D社 | 2014年12月 | 某カップ焼きそばに虫が混入 顧客対応に批判 | 工場改装 |
E社 | 2013年11月 | 従業員による冷凍食品への農薬混入 | 食の安全への取り組再構築 |
消費者の食品安全への意識は高まる一方です。近年の食品事故や不祥事が一因としてあげられます。また、消費者が食品事故をSNSに瞬時にアップし、ネット上で炎上することが見受けられます。
企業は、食品事故を発生させない、及び発生した際の適切な対応が求められています。
①市場の変化~規制当局~
厚生労働省のHACCP義務化・・・2018年の通常国会に食品衛生法等の関連法案を改正し、数年後の実施を目指します。
①市場の変化~商流~
GFSI加盟組織から、食品関連企業に対して、食品安全のスキーム取得を要求しています。
※「GFSI」とは、世界中の小売業やメーカー、フードサービス業、並びに食品サプライチェーンに関わるサービス・プロバイダーから業種を超えて食品安全の専門家たちが集まり、協働して協食の安全に取り組む組織
■設立目的■
●食品安全リスクの低減
●コストの最適化
●能力開発・力量向上
●知識の交流・ネットワーキング
■GFSIが認めているベンチマーク規格■
2000年に設立時の食品安全スキームは500 → GFSIは、2015年に食品安全の共通スキームとして、9つを承認
②食品会社の取組み
多くの食品会社は、食を取巻く現状の変化から、食品に関する安全・安心の取組みを一層強化しています。
【例】次のような取組をされています。
●工場・機械・設備等の改善
●衛生管理の強化
●社内規定の強化(ルールの厳格化)
●フードテロ対策
●HACCP対応
また、上記の取組内容を含め、多くの組織が、食品安全に関する認証規格を活用したマネジメントシステムの構築、運用、認証取得に取組まれています。
食品安全マネジメントシステム(FSMS)に関する認証規格、HACCPの認証取得組織数
認証規格(ISO22000等)、HACCPとは
国際認証規格の種類とHACCPの概要
| ISO22000 | FSSC22000 | SQF | GLOBAL G.A.P | HACCP |
規格内容 | 食品安全MS | 食品安全MS | 食品安全MS | 食品安全MS | 食品安全を確保する衛生管理の手法 |
規格 | ISO22000 | ISO22000 + ISO/TS22002-1 orISO/TS22002-4 | SQF Code | GLOBAL C.A.P規格文書 | CODEX委員会ガイドライン |
適用食品業界 | フードチェーンに属する組織で適用可能 | 食品製造、食品包材等で適用可能 | フードチェーンに属する組織で適用可能 | 農作物、家畜、水産養殖に属する組織 | 主に食品製造に属する組織 |
HACCP手法 | 含む | 含む | 含む | 含む | 含む |
MS | 食品安全MS | 食品安全MS | 食品安全MS | 食品安全MS | 食品衛生管理手法 |
GFSI承認 | 未承認 | 承認 | 承認 | 承認 | 未承認 |
認証審査 | 認証機関 | 認証機関 | 認証機関 | 認証機関 | 認証機関 |
審査タイミング | 年1回維持審査 3年1回更新審査 | 年1回維持審査 3年1回更新審査 | 年1回更新審査 | 年1回更新審査 | 年1回維持審査 3年1回更新審査 |
※HACCPは、自治体や業界団体等の認証となり、国際認証規格と同等の扱いではありません。
食品安全マネジメントシステム取組みのステップ
【例】HACCP
Hazard Analysis and Critical Control Point ・・・『危害分析および重要管理点』
HACCPとは、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析( Hazard Analysis )し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという 重要管理点( Critical Control Point )を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。
※厚生労働省ホームページ HACCPより引用
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/
~HACCP管理手法~
■7つの原則
■12手順(準備段階の5手順+7原則)
7つの原則12手順(準備段階5手順+7原則)
ステップ | 準備段階/原則 | 内 容 |
STEP1 | 準備段階 | HACCPチームの編成 |
STEP2 | 準備段階 | 製品説明 |
STEP3 | 準備段階 | 使用目的の特定 |
STEP4 | 準備段階 | フローダイアグラムの作成 |
STEP5 | 準備段階 | フローダイアグラムの現場検証 |
STEP6 | 原則1 | ハザード分析の実施 |
STEP7 | 原則2 | CCP(重要管理点)の決定 |
STEP8 | 原則3 | CL(許容限界)の設定 |
STEP9 | 原則4 | モニタリング方法の確立 |
STEP10 | 原則5 | CL逸脱時の処置の確立 |
STEP11 | 原則6 | 検証手順の設定 |
STEP12 | 原則7 | 文書および記録保管の確立 |
【例】FSSC22000
【例】FSSC22000の要求事項
【例】FSSC22000 取組のステップの概要
経営層のリーダシップ、食品安全チームの力量とマネジメント力、全社的活動が重要です。
【例】FSSC22000 認証までのスケジュール概要
【例】FSSC22000 認証審査仕組み
経営戦略に沿ったこれからの食品安全MS
組織の経営戦略に沿って、食品安全MSへの取組みをする必要があります。
お客様のご要望や規模に応じてプランをカスタマイズ
なるべく苦労なく取得
ISO22000認証取得には苦労が伴うものです。ご担当者様には必要最低限のことを行って頂き、それ以外のことはコンサルタントが代行します。お忙しい方におすすめのプランです。
なるべく早く取得
認証取得が案件受注の条件であるなど、認証取得を急ぎたい方のプランです。コンサルタントと協力をして、迅速な認証取得を目指します。
認証を維持・更新
認証を取得した後も、認証を維持・更新する必要があります。更新時期が迫って慌てる前に、コンサルタントが更新のアドバイスをします。
業務改善の相談
自社の規模やリスクに応じた食品安全マネジメントシステム構築が主で、併せてISO22000を認証取得したいというお客様のための、業務改善コンサルティングサービスです。
スマート化・実効性強化
構築した食品安全マネジメントシステムの見直しをするプランです。文書の簡素化、規程の見直し、食品の安全管理手順・基準などの見直しを行い、最適なシステムを再構築します。
ご挨拶
ISO22000は、HACCPとISO9001をベースとした規格で、食品安全を目的とした食品安全マネジメントシステム(FSMS)の国際規格です。食品には、食べ物の他にも飲料も含まれます。
ISO22000認証取得に取り組むことによって、消費者に提供する食品において、異物混入や食中毒など、食品衛生上のリスクを低減し、安全性を担保すことができます。食品衛生は、顧客の生活と直結するテーマだけに、食品を扱う業界では注目度の高い規格です。大手の食品会社のみならず、中小の食品会社でも取得を目指すことが増えてきております。
帝国データバンクネットコミュニケーションでは、ISO22000はもちろん、さらに厳密な要求が含まれるFSSC22000のご支援も承っております。認証取得や認証維持をお考えのお客様は、コンサルティングのことやご予算のことなど、お気軽にご相談ください。
ISO22000認証取得コンサルティングをご検討の方は、まず、お電話もしくはお問い合わせフォームより弊社までご連絡をください。